妊婦に重いものはNGなはず、お腹が邪魔で抱っこできないのでは…など、第2子を妊娠中のママは、上の子の抱っこ問題に直面することでしょう。妊娠中も抱っこできるのか、抱っこ紐を使っても大丈夫なのか。気になるポイントをチェックしていきましょう。

妊娠中に抱っこしてもOK?

『妊婦さんは重いものを持ってはいけない』というイメージが定着していますが、妊娠中であっても抱っこをすること自体は問題ありません。
重いものを持つことが流産につながるなどという話を聞いたこともあるかもしれませんが、じつは科学的な根拠はないので必要以上に心配しなくても大丈夫です。

とはいえ、グッと力を入れると腹圧が上がることは確か。すぐに赤ちゃんの危険につながるわけではありませんが、お腹が張ったり腰が痛くなったりする原因にもなるため、腹圧が上がるような状況は、なるべく避けた方が無難でしょう。

低い位置から子どもを抱き上げる時は、一旦しゃがみ、片膝を立てるようにしてゆっくり立ち上がると、お腹に力が入りすぎないためおすすめです。

また、同じ姿勢を長時間続けること、立ちっぱなしでいること、猫背や腰を反らせた体勢なども腹圧が上がる原因となります。気をつけましょう。

妊娠中〜後期になり、お腹が大きく張り出して抱っこしづらくなってきたら、体の正面ではなく骨盤で支えるようにで抱く、いわゆる「腰抱き」をします。 お腹を避けつつ体に近い位置で抱っこができるため便利ですが、体の片側だけに負担がかかるため、腰や背中に痛みが出やすいのも事実。こまめに左右を入れ替えつつ、ベビーカーを使ったり子供に歩かせたりという代替策も取り入れて、あまり長時間にならないよう工夫すると良いでしょう。

抱っこ紐は使える?

妊娠初期

妊娠初期などお腹が目立たないうちは、それまで使っていたものを、普段通り使用して構いません。
お腹が大きくなり、体の前面での抱っこが難しくなってきたら、多機能タイプの抱っこ紐であれば、おんぶに切り替えて使うのがおすすめです。おんぶ紐を使うのも、もちろんOK。

妊娠中期

妊娠中期以降になると、徐々に腰ベルトの締め付けが苦しく感じたり、ベルトの長さが足りなくなったりして、バックルで止めるタイプの抱っこ紐は使えなくなってきます。 そんな時は、肩かけタイプの抱っこ紐やスリングなど、お腹まわりを締め付けないものを使うと便利です。 ただし、その場合は肩だけで重みを支えなければならないため、首や肩、腰が痛くなりやすいというデメリットもあります。「当時は常に肩がバキバキだった」と苦笑いしながら振り返る先輩ママも。

無理は禁物!あくまで体調と相談しながら

子育ての味方になってくれる、便利な抱っこ紐。いつまで使って良いのか、どんなタイプが最適なのか気になる人も多いかもしれませんが、お腹が圧迫された時の不快感や辛さ、不安感には個人差があり、その時々の体調によっても異なるため、必ずしも「この時期にはこうするべき」など妊娠期に応じた明確な対処法があるわけではありません。 体調と相談しながら、必要に応じてかかりつけ医の診察も受けつつ上手に活用してください。

 

抱っこをする際に気をつけること

第2子以降を妊娠中に上の子を抱っこする際、最も気をつけるべきなのは「無理をしない」ことです。

抱っこすること自体は問題ないものの、重いものを持ったり動きすぎたりすると、お腹が張ります。しばらく休めばおさまることがほとんどなので、過度に心配する必要はありませんが、「負担が大きくなっているよ。無理しないで」という体からのサインを聞き逃さないように気をつけましょう。

体の正面でなく、骨盤で支えるようにして抱っこする「腰抱き」。お腹が大きくなってもできる便利な抱っこの仕方ですが、妊娠後期は注意が必要です。

妊娠中は、出産に備えてリラキシンというホルモンが分泌され、骨盤などの靭帯が少しずつ緩んでいきます。赤ちゃんが産道を通りやすくするために必要なことですが、骨盤周辺の関節が不安定になるため腰痛などが起こりやすくなり、妊娠後期になると、負担をかけることで陣痛が誘発され早産に繋がりかねないリスクもあります。そのため、体をひねるような体勢で骨盤に負担をかける腰抱きは、短時間にとどめ、多用しすぎないようにしましょう。

無理をしないように気を配ると、抱っこの回数や時間はどうしても減ってしまいます。
それは仕方のないこと。
それでも寂しい思いはさせたくない!と思うママは多いでしょう。
豊かな情操を養うために、子どもと触れ合う時間を作ることはとても大切なことです。座ったまま膝に乗せて抱っこをしたり、スキンシップを増やしたりして、たっぷり愛情を注いであげましょう。