あるとき急に赤ちゃんが抱っこを嫌がったら、ママパパは戸惑ってしまうでしょう。
でも、それは多くの赤ちゃんが見せる成長の一段階です。「その時期が来たんだな」と落ち着いて受け止めましょう。

赤ちゃんが抱っこを嫌がる?

赤ちゃんといえば、ママパパの抱っこが大好き!というイメージですよね。
そんな赤ちゃんが抱っこを嫌がるなんて、意外に思われるかもしれません。
でも実は、珍しいことではないのです。もし赤ちゃんを抱っこしようとして拒否するような仕草をされても、ショックを受けないでくださいね。

抱っこを嫌がる素振りを見せるようになるのは、生後3〜4ヶ月頃からが一般的。首がすわり、頭がグラグラしないように自力で支えられるくらいの筋力が備わってくる頃です。
ときに全身を使って抱っこを拒否しようとするのも、成長の一環なのです。

嫌がっているのは、どうやってわかる?

抱っこしているとき、空腹やオムツが汚れているなどの理由がないのに泣き出したら、抱っこを嫌がっている可能性が高いです。

特に多いのは、横抱きを嫌がるケース。
首がすわるまでは、赤ちゃんを水平に寝かせた状態の横抱きがメインとなります。体を起こす縦抱きは、不安定な頭を支えてあげなければならず、より注意が必要になるからです。
ところが、ある時期になると、赤ちゃん自身が横抱きを嫌がって泣くということが起こってきます。

また、足をつっぱり、背を反らすようにしたり体をひねったりして抱っこに抵抗することがあります。
この「反り返り」という動作の原因はいくつかありますが、その一つが「抱っこはイヤ」というアピールです。
赤ちゃんの小さい体からは想像できないような強い力で反り返ることがあり、ヒヤッとすることがあります。高い位置で抱っこをする時は特に注意しましょう。

なぜ抱っこを嫌がるの?

抱き方が気に入らないからというのが理由の1つです。
横抱きが嫌という以外にも、抱き方が不安定で体に余計な負担がかかっていたり、不慣れな人が恐る恐る抱っこして緊張が伝わっていたりする場合も、泣いてしまうことがあります。

赤ちゃんは大人に比べて体温が高いため、抱っこされることで暑く感じて、不快感から嫌がることも。

また、1日室内にいることで刺激が少なく、飽きていることが原因の場合もあります。
骨格がしっかりし、筋力がついてきたことで、動きたいという気持ちが芽生え、じっと抱っこされていることを嫌がるケースもあります。

抱っこを嫌がる理由は、さまざまです。様子をよく観察して原因を探り、対処してあげましょう。

嫌がるときはどうしたらいい?

最初に試したいのは、抱き方を変えてみることです。

横抱きの状態で泣きだした場合、満腹でおむつもキレイ、暑い寒いなど不快な原因もなさそうなら、抱き方が気に入らないのだと考えられます。その場合は、縦抱きにするだけでピタリと泣き止みます。

お互いの体が密着するように抱っこすると、姿勢が安定して、落ち着くこともあります。赤ちゃんの腕や脚が伸び切らないように気をつけて、腕はW字、脚はM字の状態で自然に曲がっている姿勢をキープしてください。


素手での抱っこを嫌がっても、抱っこ紐を使えばおとなしく抱かれているという赤ちゃんも少なくありません。ママパパと適度に密着した状態で、安定した姿勢で抱っこできるため、安心するのでしょう。
対面抱っこがダメでも前向き抱っこにしたら喜ぶこともあります。

抱っこしたまま歩いてみると、リズミカルな振動でリラックスする場合もあります。外を歩いて、見える景色が変わると気が紛れて泣き止むことも。
背中をやさしくトントンしてあげるだけでも落ち着くことがあるので、まずはママパパが焦りや緊張を解いて、ゆったりした気持ちで赤ちゃんに向き合うことをおすすめします。

抱っこを嫌がっても心配はいらない?

赤ちゃんが抱っこを嫌がるのは、生理的な不快感が原因である場合のほか、筋肉や脳の発達により、体を動かしたがったり興味を持ったものを見たがったり、意思を持ちはじめたことの表れであることもあります。成長過程の一段階なので、心配いらないケースがほとんどです。

もしどうしても嫌がるなら、無理に抱っこをしないという選択もアリです。
授乳も寝かせたままでできるし、添い寝しながら触れ合うことだけでも、十分にコミュニケーションが図れます。お出かけの際はベビーカーを使用すれば良いでしょう。
あまり気に病まず、「うちの子スタイル」を一緒に探ってみてください。

ただし、抱っこを拒否するだけでなく、思い当たる理由がないのに泣き止まなかったり、反り返りを頻繁に繰り返したりする場合は、何らかの健康トラブルの可能性もあります。
顔色や、発熱・嘔吐の有無、関節の腫れ等の変化を観察したり、反り返りの頻度や強さなどの様子を見たりして、心配な場合はかかりつけ医に相談しましょう。