市販されている抱っこ紐の多くは、使用可能時期を「首すわり後から」としています。首すわりとは、いつ、どんな状態を指すのでしょうか。首がすわる前の注意点や抱っこの仕方、お役立ちグッズも併せてご紹介します。

首すわりとは?

生まれて間もない赤ちゃんは、重たい頭を自分で支えることができません。成長とともに少しずつ筋力がついたり神経が発達したりすることで、頭をまっすぐに保ったり、見たい方へ自由に顔を向けたりできるようになっていきます。それを「首がすわる」と言います。

首がすわるのは、いつ?

厚生労働省の調査によると、生後4ヶ月までに63%、5ヶ月になるまでには93.8%の赤ちゃんが首すわりを完了します。
もちろん成長のスピードには個人差があるので、多少遅れても神経質になる必要はありません。自治体が行う3、4ヶ月健診では、首すわりがどれくらい進んでいるかを含めて赤ちゃんの発達や発育を確認できます。何か問題があれば早めに対処できる機会となるので、積極的に受診しましょう。

首すわりはどのように進んでいくの?

筋肉や神経の発達によって徐々にできるようになっていくため、まったく首がすわっていない状態から完全に安定するまでは段階的に変化していきます。
生後2〜3ヶ月頃を過ぎると、うつ伏せの状態から頭を持ち上げる仕草を見せるようになり、徐々に左右へ顔の向きを変えられるようになってきます。縦抱き抱っこをした際に頭がグラグラする頼りない感じも、少しずつなくなってくるでしょう。

首がすわっているかは、どうやってわかる?

健診などでよく使われるのは、「引き起こし」という確認法です。
赤ちゃんを仰向けで寝かせ、両脇の下に手を差し込んで上体をゆっくり起こします。上半身を45度くらいまで引き起こしたとき、頭が後ろに垂れ下がらず一緒についてきていれば、首がすわっていると考えられます。90度まで体を起こしたときに頭が前に倒れず、前を向いたままでいられるかもチェックポイントとなります。
他には、うつ伏せの状態で頭を持ち上げられるか、自分で頭の向きを変えられるかなども、首がすわっているかを見極めるポイントです。

練習は必要?

首すわりは体の発育に伴って自然に進むものなので特に練習する必要はありませんが、遊びやコミュニケーションの一環として練習を取り入れるのは良いかもしれません。

おすすめは、うつ伏せ遊びです。
赤ちゃんをうつ伏せで寝かせ、おもちゃなどで視線を誘導して頭を持ち上げさせます。首や肩、背中、腕や脚の筋肉が鍛えられるので、首すわりだけでなく、寝返りやハイハイなどの準備にもなります。
あまり欲張らず短時間にとどめ、うつ伏せで寝かせている間は目を離さないようにしてください。
縦抱きも、姿勢を保つために筋肉が刺激されるため、首すわりの練習になると言われています。頭をやさしく支えながら抱っこしてあげましょう。

首すわり前の注意点は?


首や頭に手を添えてサポートしてあげることが必要です。
頭が揺れることで脳がダメージを受ける恐れがあるほか、抱き上げる際などに首が大きく後傾すると頚椎を損傷する危険があるからです。
また、縦抱きをしたときに顎が下がった状態が続くと、気道が狭まって呼吸がうまくできなくなり、酸素が不足してしまいかねません。脳に十分な酸素が送られない状態が長時間続くと、脳障害が起こりかねません。
抱っこ紐で縦抱きをする際は、首まわりをしっかりカバーするヘッドサポート付きのものを使用すると安心です。

首すわり前と後の抱っこ

首すわり前の赤ちゃんは、ほぼ水平に寝かせて抱っこする横抱きが基本です。
首が後ろに倒れすぎないように、抱っこする大人が両腕で輪っかを作り、肘の内側に赤ちゃんの後頭部と膝裏を乗せます。
首がすわれば、赤ちゃんの体を起こして抱く、縦抱きができるようになります。
首すわり前でも、授乳後にゲップをさせるときなど、縦抱きをする機会はあります。その際は首の支えを忘れないよう気をつけてください。

首すわり前にあると便利なグッズ

生まれた直後で3kg前後の赤ちゃんは、1ヶ月健診の頃には4kgを超えるのが一般的。ヒップシートに赤ちゃんを乗せるようにして横抱きの補助として使うと、ママパパの負担をかなり軽減できるのでおすすめです。普段の抱っこはもちろん、授乳や寝かしつけの際にも大活躍してくれます。
ヒップシートは、子どもがある程度大きくなって、体重も重くなってから使うものというイメージが強いかもしれませんが、じつは生まれてスグから役立つ優れものなのです。

首すわり前からずっと使える抱っこ紐

BABY&MeのBeren firstセットは、ヒップシートと腰ベルトタイプのfirstパーツ(新生児パーツ)、体を包むキャリアパーツの3点セットです。
ヒップシートは横抱きの補助として新生児期から活用でき、キャリアパーツは赤ちゃんの頭を優しく支えるヘッドサポート付きのため、firstパーツと組み合わせれば首すわり前でも対面抱っこが可能です。firstパーツをヒップシートに切り替えれば、ヒップシートキャリアとしても使用できます。新生児から体重20kg程度になる4歳頃まで長く使えるため、抱っこ紐はこれ1つでOKです。