夜泣きをする子・しない子、よくぐずる子、いつもご機嫌で手がかからない子…赤ちゃんも個性豊かです。それは性格によるものなのか、性格はいつ頃どうやって決まるのか。赤ちゃんの性格について、掘り下げてみましょう。

赤ちゃんの性格はいつ決まる?

結論から言ってしまうと、概ね3歳くらいまでの間に人の性格は決まると言われています。「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、まさにその通りですね。

赤ちゃんのうちは、寝ている時間がほとんどで活動の種類も少なく幅も狭いため、性格の違いが表れる機会はあまりありません。それでも、おっとりしていておだやかだったり、癇癪を起こしやすく気難しそうだったりと個性の差を感じることもあるでしょう。
それは、生まれつき個々が持っている「気質」からくるものです。

性格と気質って何が違うの?

気質とは、生まれながらに持っている性質のこと。刺激を受けた時にどういう反応をするかという、行動特性を表します。性格の基礎となるものです。

では、性格とは何でしょうか
ある心理学の研究者の言葉を借りると「生物学的・環境的要因から進化する行動・認知・情動パターンの特徴的な集合」です。
つまり、どのように行動(刺激に対して反応)するか、ものごとを理解・判断するか、どんな時にどんな感情を表すかといったことの特徴が「性格」で、それは遺伝や環境の影響を受けて変化する、ということです。

性格はどうやって決まるの?

性格は、先ほども説明した通り、遺伝などの生物学的要因と、環境要因によって決まります。形成されていく、と言ってもいいかもしれません。生まれ持った気質をベースに、生活環境や、まわりの人たちの接し方などの影響を受けながら、少しずつ性格ができあがっていくのです。先天的な部分は変えることができないため、2~3歳頃までの過ごさせ方や接し方が、性格を決める鍵を握ることになります。

性格は目に見えないものなので、子供がどのような性格に育っているかの判断は難しいもの。一方で、性格が現れる「行動」は客観的に捉えることができるため、性格を知るひとつの目安となるでしょう。逆説的に考えると、行動をコントロールすることで性格が変わっていくと言えるかもしれません。

行動をコントロールってどういうこと?

アメリカの心理学者、B.F.スキナーが起こした「行動分析学」では、外的な“刺激”によって“行動”が起こり、その行動がもたらす“結果”が、次の行動を起こす刺激になる、という考え方が基本になっています。

その考え方を応用して、意図的に結果を変えることで、特定の行動を増やしたり減らしたりすることができます。
わかりやすい例として、犬の「お手」を取り上げてみましょう。

飼い主が「お手」と言った(刺激)あと、お手の動作(行動)をしたら、おやつがもらえたり褒められたりした(結果)という経験を繰り返すと、犬はお手を覚えます。
この手法は、人にも適用できます。
たとえば、子供が学校からのおたより(刺激)を見せてくれたら(行動)、笑顔で「ありがとう」と言うこと(結果)を徹底すれば、子供は毎回すすんでおたよりを見せるようになるでしょう。旦那さんが食器洗いなどをしてくれたときお礼を言ったり褒めたりすると、家事をしてくれる回数が増える…なんて話もよく聞きますよね。それも同じ理屈です。
望ましい行動をしたときは良い結果を与え、望ましくない行動をした時には与えないということを繰り返すと、望ましい行動が増えていくのです。

こうした「ご褒美」的な結果は、相手が「ご褒美をもらった」と認識しているか否かに関わらず、行動を変える効果を生みます。まだご褒美の概念がない赤ちゃんにも適用できるということです。

ママパパは、赤ちゃんにどう接すれば良い?

赤ちゃんにとって、泣くことはひとつの重要なコミュニケーション手段。お腹が空いたり、オムツが汚れて不快なときも、赤ちゃんは泣いたりぐずったりして教えてくれます。
オムツ替えや授乳などをすると、不快感が取り除かれて赤ちゃんはご機嫌になります。赤ちゃんが泣くという刺激によりママパパが行動を起こし、結果として不快感が取り除かれるという図式です。何度もこういったことを繰り返すうちに赤ちゃんは「泣くと不快感が解消される」ことを学んでいきます。
一方で、ママパパも、オムツ替えや授乳といった行動で、赤ちゃんがご機嫌になって笑ったり手足をパタパタして可愛らしい姿を見せてくれたりするという「ご褒美」が得られます。もちろんそれがなくてもお世話はするのですが、義務感だけではなくお世話する喜びや幸福感をもたらしてくれることでしょう。

また、お世話の際に優しい笑顔と声で赤ちゃんに接すると、それ自体が赤ちゃんへの「ご褒美」となって、ママパパの笑顔や声が赤ちゃんをご機嫌にさせるきっかけ(刺激)になっていきます。こうした幸せな連鎖で、ママパパと赤ちゃんの信頼関係が築かれ、赤ちゃんの豊かな情操が育まれます。その後の性格形成にも影響があると考えられるため、赤ちゃんの求めているものを察知して、笑顔で優しく接することはとても大切です。




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